2022年8月現在、国内で正式にサービス提供しているロスレス、ハイレゾが聴ける高音質の音楽聴き放題ストリーミングサービス(サブスク)3つを比較しながら紹介。
3つのサービスとはつぎのとおり。
- Amazon Music Unlimited
- Apple Music
- Deezer HiFi
2022年6月現在、国内で正式サービスを行っているのは上記3つになります。
- 1 他のサービスの動向は?
- 2 ロスレス、ハイレゾが聴ける高音質ストリーミングとは
- 3 ロスレスとは
- 4 ハイレゾとは
- 5 高音質ロスレス、ハイレゾストリーミングのデメリットは?
- 6 ストリーミングでハイレゾを聴くために必要な機器
- 7 高音質ストリーミング、国内では3つ
- 8 【楽曲数と料金を比較】コスパがいいのはAmazon Music Unlmited
- 9 【音質比較】デスクトップ環境ならAmazon、iPhone、MACユーザーならApple Music、ハイレゾに興味がなければDeezer
- 10 【操作性比較】スマホアプリの使い勝手は大差なし
- 11 【機能比較】機能性はAmazon Music Unlimitedが充実
- 12 プレイリストやキュレーションの質はApple Musicが高い
- 13 【キャンペーン比較】Amazon Music Unlimited、Apple Musicは随時3カ月無料など
- 14 比較表
- 15 高音質ストリーミングおすすめは結局どれ?
他のサービスの動向は?
現在国内では3つだけですが、今後増える可能性は高いです。気になる方は下記の記事をご覧ください。
※2021年2月にロスレス配信を発表したSpotifyはまだ動きがありません。▶Spotify HiFiキタ!ロスレス配信についておさらい
※2023年、TIDALが日本上陸か?▶TIDALの日本サービス開始はいつ?
※qoobuzがonkyoと業務提携をしたので、日本でのサービス開始が期待されています。▶Qobuzの日本サービス開始は?
※mora qualitasは2022年3月29日をもってサービス提供終了。▶【やむなし】mora qualitasがサービス提供終了の理由
ロスレス、ハイレゾが聴ける高音質ストリーミングとは
- CDと同等かハイレゾ音源が聴き放題
- 料金は月額880円〜
CD同等かハイレゾの音源が聴き放題
SpotifyやLINE MUSICはデータ量を軽くするため、音質を落として(圧縮して)配信しています。具体的にはデータ量をCDのおよそ五分の一程度の圧縮。
それに対して、ここで紹介する3つのサービスはCDと同等の音質、さらにはCDを超える音質のハイレゾも聴き放題。
料金は月額880円〜で聴き放題
料金はサービスによって異なり、月額880円から利用可能。CDと同等の音質やハイレゾがこの料金で楽しめるのは非常に嬉しいですね。
更に、Amazon Music UnlimitedとApple Musicは年払いすることで、更に2ヶ月分お得に使うことができてかなりお得です。
年払いについては下記をご覧ください。
▶【8800円だけどどうなん?】Amazon Music Unlimitedの年間プラン
ロスレスとは
ロスレスについて説明します。
ロスレスは英語書くとLossless。ロス(Loss)がない(Less)、つまり音源を圧縮する際にデータの損失がないということです。
損失がないので音質がいいのですが、圧縮率は低いのでデータ容量は大きいです。
圧縮率は楽曲によって異なります。容量の目安としては大体60-80%程度の圧縮率です。
圧縮形式として、FLAC(Amazon Music Unlimited)やALAC(Apple Music)などがあります。
ハイレゾとは
次にハイレゾについて説明します。
ハイレゾとは一言で言うと「CDを超える」音質のことです。
CD音質とはサンプリング周波数44.1kHz、量子化ビット数16bitで非圧縮の音源のことで、これを超えればハイレゾ。
もう少し詳しく説明します。
サンプリング周波数とは
サンプリング周波数とは音の高さの上限値に関係し、サンプリング周波数のおよそ半分が再生周波数の上限となります。CDのサンプリング周波数は44.1kHzなのでおよそ半分の22kHzが再生の上限値になります。
このサンプリング周波数が44.1kHzを超えるとハイレゾとなります。
フォーマットの関係で、サンプリング周波数は数値が決まっていて、44.1kHzの上は48kHz、88.2kHz、96kHz、192kHz、384kHzとなります。
ストリーミングサービスのハイレゾは、48kHz、96kHz、192kHzのいずれかとなります。
量子化ビット数とは
こちらは音の大きさに関係します。量子化bit数が大きいほどより小さな音から大きな音まで記録できます。つまり大小表現が豊かになりなり、クラッシクではダイナミックな表現を感じることができます。
16bitの上は24bit、32bitとなります。
ストリーミングサービスのハイレゾは24bitとなります。
48kHz以上または24bit 以上の音源がハイレゾ
Amazon Music Unlimitedではサンプリング周波数が48kHz以上か、量子化ビット数24bitであればハイレゾ(UltraHD)として扱っています。
Apple Musicは96kHz以上の場合にハイレゾと表記しています。
高音質ロスレス、ハイレゾストリーミングのデメリットは?
- データ量が大きい
- ハイレゾを聴くなら投資が必要
- オーディオ沼にハマる
どの高音質ストリーミングサービスにも共通するデメリットが上記です。
それぞれ解説します。
データ量が大きく、通信量、ストレージを食う
先述の通り、ロスレス配信はデータ容量が大きいです。データ量の目安は60分の再生で下記。(圧縮率65%とした場合)
- 16bit /44.1kHz…およそ400MB
- 24bit/96KHz…およそ1.3GB
音質がいいぶんデータ量が大きくなるので、外出先でストリーミング再生しているとあっという間に契約ギガ数を超えてしまいます。
また、ダウンロード再生をするにしてもストレージを圧迫します。
ハイレゾを聴くなら追加機器が必要で財布が寂しくなる
Amazon Music Unlimited、Apple Musicはハイレゾも聴けますが、ハイレゾを聴くにはDACという対応機器が必要になります。
価格は数千円から上は天井知らずです。
オーディオ沼にハマる
音源がよくなると、イヤホンやスピーカー、アンプもいいものが欲しくなります。
もっといい音で聴きたい…そんな欲求がとまらなくなり出費が増えるのは必至。
ちなみに僕がメインで使っているのはイヤホンがSHUREのSE846、DAPはM3Xです。この組み合わせでケーブル、メモリーカードなど合わせて約15万ほどです…。はじめは1万円のイヤホンを買うのもためらっていましたが今となっては…。

ここでハイレゾ再生に必要な機器を簡単に紹介しておきます。
ストリーミングでハイレゾを聴くために必要な機器
ワイヤレスイヤホン、ヘッドホンでもロスレス、ハイレゾ再生が可能
SONYがWF-1000XM4を発売してから、ワイヤレスイヤホンもロスレス、ハイレゾ対応のものが多く出回ってきました。
対応Bluetoothコーデックが次のいずれかであればOK。
- LDAC(96kHz)
- LHDC(96kHz)
- aptX HD(48kHz)
- aptX Adaptive(96kHz)
イヤホン(受信側)だけでなくスマホも(送信側)対応している必要があります。
ここで紹介しているサブスクなら、LDAC対応イヤホンの効果を感じれるはずです。
おススメの機器レビューは下記です。
▶オーディオテクニカATH-TWX9をソニーWF-1000XM4と比較レビュー
▶Anker Soundcore Liberty 3 ProとWF-1000XM4を比較レビュー!
▶【音楽マニアがガチレビュー】Anker Soundcore Liberty Air 2 Proレビュー
音質だけを追求するならイヤホン、ヘッドホンは有線がオススメ
ワイヤレスでハイレゾ再生が可能になったとはいえ、音質だけを追求するならやはり有線がオススメ。
20KHz以上の再生できればOKで、ハイレゾマークがついていなくても問題ないです。
スマホやPCでハイレゾを聴くのに必須のDAC
DAC(digital to analog converter)とはデジタル信号をアナログ信号に変換するもの。単体ではハイレゾ再生できないスマホやPCなどに接続してハイレゾ再生を可能にするもの。
ポータブルのDAC内蔵アンプ(ポタアン)の例としてはFIIO Q3とかですね。2万円ほどです。

他にもFiiO KA3などバスパワー駆動のドングルタイプもあります。
ハイレゾ対応のワイヤレスDACアンプもある

ハイレゾ対応のワイヤレスDACアンプもラインナップが増えてきました。Bluetoothでも有線でもハイレゾが楽しめるタイプです。音質は完全ワイヤレスイヤホンよりもいいので、音質も利便性も求める方におススメ。代表的な機器を下記でレビューしています。
▶【いきなり比較】FiiO BTR7 と iFi GO blu!
▶【ルックスも音質もGOOD!】iFi GO bluレビュー!
▶【コンパクトでハイコスパ】FiiO BTR5 2021レビュー
▶【2.5㎜も4.4㎜も使える!】Shanling UP5レビュー!
DAP(デジタルオーディオプレーヤー)
DAPは音楽専用のプレイヤー。Androidを搭載したものが主流で各ストリーミングサービスが利用可能。これ単体でハイレゾが聞けます。iPodの進化版みたいな感じ。写真は私も愛用しているM3Xで38000円ほどで価格帯としてはエントリークラス。ハイエンドクラスだと40万くらいのものまであります。

以上ハイレゾ再生のための機器を紹介しました。CD音質の再生であれば追加機器は必要ありません。
高音質ストリーミング、国内では3つ
現在、国内で高音質の音楽ストリーミングを提供しているサービスは次の3つです。
- Amazon Music Unlimited
- Apple Music
- Deezer HiFi
海外のサービスではTIDALなどがありますが、契約方法がかなり面倒です。現状、上記の3つからの選択でいいと思います。
では早速音質、料金などを比較していきます。
【楽曲数と料金を比較】コスパがいいのはAmazon Music Unlmited
- Amazon Music Unlimitedは1億曲でハイレゾもあり880円(プライム会員)(通常会員は980円)
- Apple Musicは1億曲でハイレゾもあり1080円
- Deezer HiFi 数千万曲でハイレゾなし、1480円(アプリ経由1980円)
Amazon Music Unlimitedは月額880円から
楽曲数、音質の面で最もコスパがいいのはAmazon Music Unlimitedです。9000万曲あり、邦楽も洋楽もジャズもクラシックもほぼ問題ないラインナップです。ハイレゾも聴けて980円、私はプライム会員なので880円で使っています。
さらに年払いすればさらに2ヶ月分お得に。プライム会員なら年額8800円(通常会員9800円)。
▶【8800円だけどどうなん?】Amazon Music Unlimitedの年間プラン
ただB'zなどビーイング系がない点には注意!邦楽にやや弱い印象。
▶【ZARD、ブルーハーツは?】Amazon Music HDにないのはこれ
Amazon Music Unlimitedはデスクトップ環境では排他モードの利用もでき、Audirvanaなど再生専用ソフトほどではないにせよ、そこに迫る程の音質で楽しめます。
▶Amazon Music HDの排他モードiMacで使ってみた!
Apple Musicは月額1080円
次にコスパがいいのはApple Musicですね。
こちらも1億曲あり、ハイレゾも聴けて1080円。年払いは10800円。
こちらはB'zも聴けますね。ただ、全体的にハイレゾが少ない印象で、特にジャズやクラシックのハイレゾが少ない印象です。
またApple Musicはデスクトップ環境での排他モードはなく、Windowsではロスレスの再生も現時点では不可。
Deezer HiFi
Deezer HiFiは実際使ってみて邦楽が少ないのが欠点に感じましたが、洋楽は問題ないレベルです。
音質はAmazon Music HDやApple MusicのHD音源が850kbpsなのに対して、Deezer HiFiのHiFi音源は1411kbpsなのでこちらのほうが上ですね。しかし、ハイレゾはありません。
ハイレゾを聴かなければ1480円でCDと同じ音質で聴けるのは魅力的。
mora qualitas(サービス終了)
※2022年3月をもってサービス終了しました
洋楽も邦楽も曲数が少ないです。トータルで数百万曲程度、実際使ってみると「レディオヘッドもないの?」といった感じです。
とはいえ最大ビットレートがトップなので、音質を追求するのであればオススメといえます。
【音質比較】デスクトップ環境ならAmazon、iPhone、MACユーザーならApple Music、ハイレゾに興味がなければDeezer
- Amazon Music Unlimited 最大3730kbps WIN/MACで排他モードあり
- Apple Musicのビットレートは非公表、排他モードなし
- Deezer HiFi 最大1411kbps 排他モードなし
Amazon Music Unlimitedは音質にこだわるWinユーザーに
Amazon Music Unlimitedではハイレゾが最大3730kbps、CD音質が860kbps。さらにデスクトップ環境では排他モードがあり、ガチで聴きたい方にオススメ。Win、Android、iPhone、MACでロスレス、ハイレゾが楽しめます。

Amazon Music Unlimitedの排他モードに関しては「▶Amazon Music HDの排他モードを解説」をご覧ください。
Apple MusicはiPhone、MACユーザーで音質に
Apple Musicのビットレートは非公表ですが、聞いた感じではAmaoznMusicUnlimitedと大きな差は感じられませんでした。デスクトップ環境(MAC)で排他モードがないのは惜しい点。さらにWINDOWSではロスレス、ハイレゾ再生はできない点は注意が必要。ただ、Windows版のApple Musicがリリースされたので、日本でもリリースされれば利用可能になるでしょう。
ということで、iPhone、Macユーザーで音質にこだわるならApple Musicがおすすめ。
両者の違いは「▶【どう違う?】Apple MusicとAmazon Music HD徹底比較!」で詳しく解説しています。
Deezerはハイレゾに興味がなければアリ
Deezer HiFiはハイレゾは聴けませんが、CD音質そのまんまの1411kbpsの楽曲も多くあります(全部ではない)。
Amazon Music UnlimitedやApple Musicはあくまでロスレス。非圧縮の音質には敵いません。

【操作性比較】スマホアプリの使い勝手は大差なし
Amazon Music Unlimitedのアプリは特に使いづらいと感じることはありません。が、検索で同じアーティストが別ページに分かれていたり目的の楽曲に辿り着くまで手間になることがあります。
Apple Musicは画像が大きく1ページあたりの情報量が少ないので、ちょっと使いづらく感じるかもしれません。
Deezer HiFiも問題ないですね。シンプルで扱いやすいです。
【機能比較】機能性はAmazon Music Unlimitedが充実
Amazon Music Unlimtedは機能性が充実しています。サブスク全体で見ても、Spotifyの次か同等の充実度です。ただiOSよりもAndroidのほうが充実しています。例えばイコライザーがあったり、歌詞表示で任意の箇所に飛べたりができるのはAndroidのみ。デスクトップ環境で排他モードがあるのもグッド。
Apple Musicはシンプルです。イコライザーもあるので問題ないでしょう。
Deezer HiFiも基本的な機能は揃えているので困ることはないでしょう。イコライザーはありません。とはいえイコライザーは必要ないといえば必要ない機能ですが。
プレイリストやキュレーションの質はApple Musicが高い
プレイリストやパーソナライズされたオススメ楽曲の質はApple Musicが圧倒的に良いです。
とくに音楽雑誌を読んで育った世代には刺さるプレイリストやオススメの数々が非常に魅力。
なんとなくアプリを開いても聴きたい曲に出会える事が多いです。
一方でAmazon Music Unlimitedのプレイリストは質が低く、一言でいうと「愛がない」プレイリスト。ネット調べながら適当に作ったようなプレイリストがたくさんあります。個人的にAmazon Music Unlimitedのプレイリストを聴くことはないです。最初から聴きたい曲が決まっているとかであれば問題ないですが、アプリ開いて「何聞こうかなー」っていう使い方には向かないでしょう。
【キャンペーン比較】Amazon Music Unlimited、Apple Musicは随時3カ月無料など
初回の無料期間はどのサービスも基本1ヶ月です。
mora qualitasはSONYのDAPなどを買うと無料クーポンがついてきたりします。
Amazon Music Unlimitedは期間によって3ヶ月無料、4ヶ月無料期間、500ポイント還元などキャンペーンを行いますので、キャンペーン中に入るのがお得です。
現在のキャンペーンは下記の通り
Apple Musicのキャンペーンは下記の通り。
Deezer HiFiは最近ではキャンペーンは特にやっていないようです。
比較表
上記を比較表にまとめました。
Amazon Music HD | Apple Music | Deezer HiFi | |
月額料金(税込) | 980円(プライム会員は880円) | 1080円 | 1480円 |
年間払い | 9800円(プライム会員は8800円) | 10800円 | 無し |
楽曲数 | 1億曲以上 | 1億曲以上 | 数千万曲 |
ハイレゾ | 500万曲以上 | 非公表 | なし |
最大サンプリングレート、最大ビットレート | 24bit/192kHz | 24bit/192kHz | 16bit/44.1kHz |
最大ビットレート | 3730kbps | 非公表 | 1411kbps |
排他モード | ○ | 無し | 無し |
複数端末での再生 | 10台まで | 6台まで | 3台まで |
2台以上の同時再生 | ファミリープランで可 | ファミリープランで可 | 不可 |
オフライン再生 | ○ | ○ | 〇 |
無料期間 | 1ヶ月以上(キャンペーンによる) | 1ヶ月(キャンペーンによる) | 1か月以上(キャンペーンによる) |
高音質ストリーミングおすすめは結局どれ?
- Amazon Music Unlimitedのメリットは格安、デスクトップ環境がグッド、洋楽のハイレゾが豊富
- Apple MusicはiPhoneユーザーが使い易い、所有ライブラリーとの統合に有利、邦楽が豊富
- Deezer HiFiはハイレゾに興味がなく、洋楽メインの方に
といった感じになります。
それぞれ無料期間があるので全部試すのもアリですね。
プライム会員であればまずはAmazon Music Unlimitedがおすすめ。なんといっても月額880円でハイレゾも試せるのは魅力。最近はAmazon Music限定配信の楽曲や、Amazon Music Unlimited限定のハイレゾ楽曲などが増えてきており、カタログの多さに魅力もあります。
次にApple Musicといったところです。こちらも格安でロスレス、ハイレゾが楽しめます。AppleのサービスなのでiOSとの相性が良くiPhoneユーザーには特におすすめ。
各サービスのレビュー記事はこちら
▶︎AmazonMusicHDレビュー!【音響のプロが徹底解説!】