SHURE SE846をレビューします。この記事を公開してから3年ほど経ちますが今も飽きることなく愛用しています。公開から時間は経ちますが、後継機についても解説していますのご参考まで。
SE846はフラグシップモデル
SHUREのSE846は2013年に発売されたSEシリーズの最上級モデル。
2020年5月にはSEシリーズとは別の、AONICシリーズが登場。AONIC215、AONIC4、AONIC5の3機種が発売されました。AONIC5とSE846、SE535LTDの音質を比較!では簡単に音質比較をしていますのでご参考まで。
そして2022年9月にはSE846第2世代が発売されました。後述しますが、本体自体は第一世代と変わりません。SE846の上位モデルや、正当進化の後継モデルなんかが出てもよさそうですが、10年経ってもその気配はないというのはSE846の完成度がそれだけ高いということでしょうか。
SHURE SE846第2世代ではエクステンドノズルが追加
そして、2022年9月に待望のSE846第2世代が発売されました。が、ドライバー構成や振動板など本体はそのまま変更なし。下記が追加、変更点になります。
- エクステンドノズルの追加
- 本体カラーの変更
- ハイレゾ認証の取得
- イヤーチップの追加
一番の注目は赤色のエクステンドノズルで、ブライトノズルよりも高い音を持ち上げるノズルです。ハイレゾ認証の取得もしていることを考えると時代に合わせたマイナーチェンジといった感じです。
何にせよ本体はそのまま。
SHURE SE846のデメリットはなんだかんだ出費がかさむところ
- 低音から高音まで解像度が高く良い音源で聴きたくなる
- プレイヤーやアンプもいろいろ欲しくなる
- リケーブルもいいものが欲しくなる
SE846を使っているとなんだかんだ出費がかさむのがデメリット。
高音質音源が欲しくなる
SE846は非常に表現能力が高く、圧縮率の高い音だと粗が目立ちます。普通のサブスクは320kbpsの圧縮された音源ですが、SE846で聴くと荒さが目立ってしまいます。
サブスクで聴くなら、Amazon Music UnlimitedやApple Musicがオススメ。CD音質やハイレゾが聴けるからです。ロスレス配信に関しては【徹底比較】ロスレス、ハイレゾ音楽ストリーミングを比較で紹介していますのでご参考まで。
が、これらよりもいいのはやはりCDやダウンロード音源です。SE846だとこれらの違いも分かってしまうので、出費がかさみます。
プレイヤーやアンプもいろいろ試したくなる
iPhoneのヘッドホン端子に直接挿して聴いてみましたが、SE846の良さであるクリアな低音と音場の広さが感じられません。
DACやアンプの良し悪しがはっきりと表現されてしまうのでこちらもいろいろ欲しくなってしまいます。SE846の高音質を存分に楽しむには必須のアイテムといえます。
私が今使っているのはBluetoothでも有線でも楽しめるFiiO BTR7。Bluetoothでも音質がよく、有線接続すれば384kHzのハイレゾやDSD音源も楽しめるのオススメです。【いきなり比較】FiiO BTR7 と iFi GO blu!でもレビューしていますので参考まで。
ノーマルケーブルが微妙
付属のケーブルは結構微妙です。
SE846はケーブルの交換が必須と言ってもいいです。最初は安価なバランスケーブルからはじめていろいろ試したくなります。
SE846リケーブル試聴レビューで何本か紹介していますが、オススメというか最強は澪標極。NOBUNAGA Labs 澪標 極 レビューで詳しくレビューしていますので参考まで。
SE846の特筆すべきメリット
- 遮音性が高い
- イヤホンとは思えない明瞭な低音
- 正確な音像表現力
- 音場が広く定位がつかみやすい
- ノズル変更でカスタマイズ
それぞれ解説します。
遮音性が高くノイキャン不要
これはSHUREのSEシリーズ共通ですが、遮音性が非常に高い。
イヤーチップが耳栓と同じ仕組みで外からのノイズを物理的にカットするんですね。
ノイズキャンセリングイヤホンのように電気的にノイズをカットするわけではないので余計な回路を積む必要がなく音質的メリット期待できます。
正直はじめは付け方に慣れるまで違和感はあります…、が慣れてしまえば他のイヤホンは使えなくなります。
田中ヤスタカ氏絶賛!イヤホンとは思えない明瞭な低音
SE846はイヤホンとは思えない音の広がりとズシリとくる低音が魅力。
「サウンド&レコーディングマガジン2018年9月号」でPerfume やきゃりーばみゅぱみゅのプロデューサー、中田ヤスタカ氏が次のように語っています
「GENELEC 8050A 8350A 8351A」など50系のウーファー口径のサウンドと似た感覚で聴けるイアフォン。8351Aと音の差が最も少なかったのがSE846だった。」
※こちらはKindle Unlimited会員は読み放題
GENELECのスピーカーはプロの現場で使われることが多いモニタースピーカー。私も会社で使っていますが低音の輪郭が素晴らしいスピーカーです。ちなみに8351はペアで¥100万を超えます。
そのモニタースピーカーに近いと語らせるくらい、SE846の実力が飛び抜けてるかわかるでしょう。
いや、ほんと素晴らしい低音ですよ、SE846。
聴き慣れた音楽が完全に別物になって、次々と聴き込んでしまいます。
正確な音像表現でどっぷりと音楽に没入できる
SE846は低音の出るイヤホン。ただ低音の出るイヤホンは結構ありますが、低音が出ると全体の音像がぼやけがちなんですが、SE846は中域から高域までクリア。
ヴォーカルからシンバル、ハイハットの明瞭音像が素晴らしいです。
音場が広く一音一音が聞き取りやすい
SE846はイヤホンとは思えない広い音場感です。一般的にイヤホンはヘッドホンと比べると「狭いところで音が鳴っている」と感じてしまいます。
ですが、このSE846はハウジングが大きく、そのため音場が広いです。SE535LTDと比べるとその差は明らかです。
なので、音楽を細部まで聴くことができ没頭できます。
ノズルを変えて音質変化を楽しめる
SE846の特徴として音質変更できるノズルが付属。第1世代ではウォーム、バランス、ブライトの3本、第2世代ではエクステンドノズルを加えた4本が付属します。
ざっくりいうと、低音寄り、フラット、高音寄り、超高音よりの音質に変更可能。
デジタルEQと違い、物理的な変化なので音質劣化を感じません。私は基本フラットを使いっていますが、時々変えて音色の変化を楽しんでます。
堅牢性が高く高級感がある
本体が非常に丈夫。
他のSEシリーズも同様ですが、プロ用機材をメインに扱っているSHUREの製品なので耐久性が非常に高い。
私はSE535LTDを5年以上使っていますが、本体の方は今でも現役です。
リケーブルして音質変化を楽しめる
SE846は他のSEシリーズ同様、MMCXという規格を採用しておりケーブル交換が可能。
断線した時の交換はもちろん、音質変化を楽しむために交換するのもあり。
SE846は音の表現が正確なため、ケーブルの交換でも音の変化が如実です。SE846リケーブル試聴レビューで何本か紹介しているのでご参考まで。
ちなみにワイヤレスに変更することも可能です。FiiO UTWS5 MMCX レビュー!でも紹介していますが、完全ワイヤレス可能です。AptX Adaptive対応のスマホを思っていればなかなかの高音質で楽しめます。
修理も可能
SE846はまだまだ現行機として販売されそうなので、もし壊れてしまっても、修理サポートも長期に渡って受けることができる安心感があります。
人気モデルのため情報が多い
人気モデルのため情報が多いです。
例えば、どんな音楽にどんなケーブルがあうのか、とかですね。
本当は試聴するが一番ですが、なかなか行けない人も多いと思います。
そんな時にレビュー記事が多いSEシリーズなら参考になる情報が溢れていて助かります。
資産価値が高い
SE846は人気モデルであり、根強いファンも多い。第2 世代の登場で第1世代は若干値下がりしたもののアマゾンの中古相場を見てもおおよそ4-5万円前後で推移していますね。
中古で買って不要になれば売却といった運用なら、数千円で使用できます。
SHURE SE846でハイレゾは聴ける?
聴けます。
SE846は第2世代でも第1世代でもハイレゾが聴けます。
SE846は第2世代でハイレゾ認証を取得しましたが、本体の変更はないのでもともと第1世代でも聴けたということです。
ちょっと話はそれますが、ハイレゾ認証を取得するためには測定で40khz以上の再生を確認する必要があります。が、第2世代のスペック表記は20kHz のままなので「?」となった方も多いはず。ハイレゾ認証は専門機関の測定で40kHz以上の再生が確認できれば取得は可能ですが、スペック表記は自社での測定によるもの。第2世代の発売にあたって計測し直さなかったためかと思われます。
話を戻します。SE846は第1世代でもハイレゾを楽しめますが、第2世代に付属するエクステンドノズルは超高域を持ち上げて空気感を付与しているので、よりハイレゾ感を味わいたいなら第二世代のエクステンドノズル使用がおススメです。
実際にeイヤホンさんの店頭で聞かせてもらいました。
予想通りというか今っぽい空気感のある音質で、特にオーケストラやライブ音源などがかなり臨場感たっぷりに楽しめました。
SE846中古はアリ?
カラーは4種ありお好みですが、中古で買うなら真贋の判別がしやすいクリアカラーがオススメ。偽物が出回っている情報は今のところありませんが、中身が見えた方が安心なので私はクリアカラーにしました。
中古についてはこちらで記事にしています。
SE846よりもいいイヤホンはある?
現状同じ価格帯のライバル機種といえばWESTONEのMACH50(11万ほど)かpro x50(9万ほど)あたりですが、僕が聴いた感じだと解像感や正確性ではSE846のほうが良かったです。SE846より良いと感じたのは上位モデルのWESTONEのMACH70(20万ほど)です。SE846よりも音場も周波数レンジも広く感じました。全帯域でクリアで解像感も高く申し分なしです。低音の魅力もSE846に比肩します。次に買うなら候補に入る1本です。ただ20万ほどするし中古もそれほど出回っていないので簡単に手は出せません。
【結論】SE846はミュージシャンにもコアな音楽ファンにもオススメ
ミュージシャンにもおすすめ
SE846は全体の音像がはっきりしているため、わずかな音の変化をそのまま素直に表現します。
細かい部分まで聴くリスナーを想定して音楽制作をするなら、このSE846は最適と言えます。
前述の中田ヤスタカ氏もモバイル環境で愛用しているようなので、持っておいて損はないでしょう。
私は音楽制作をしませんが、私のように細かい部分まで聴いて楽しみたいリスナーは必ずいます。
映像編集にもおすすめ
私は映像編集をするのですが、細かいノイズを聴き逃したくないんです。
そんな時にこの遮音性は正義。
自宅では常に外部からのノイズが気になりますからね。
コアな音楽ファンにおすすめ
まとめるとSE846は遮音性、音像、音質、堅牢性、ケーブルやノズル交換によるカスタマイズ性、資産価値など、どれをとっても一級品で買いのイヤホンという結論です。
SE846はどこで買う?
楽天で買うならeイヤホンがオススメ。こちらも専門店なので安心感があります。
paypayモールはクーポンやpaypayのキャンペーンで安く変えるかも!
サウンドハウスや音響機器を扱う老舗で安心感があります。
FUJIYA AVICはハイエンドオーディオ機器を扱う老舗。中古も充実してます。