SHUREのSE846には3種類のノズルインサートが付属しており、交換することで、高音質はそのままに音質傾向を変えるることができます。
各ノズルの特徴と交換方法と注意点、おすすめノズルを解説します。
SE846のレビュー記事は以下
SE846第2世代にエクステンドノズルが追加
2022年9月に発売されたSE846の第2世代は本体に音質面での変更はありません。赤色のエクステンドノズルが追加となり、これを使うことで従来にはない音質を楽しむことができます。
従来の3本に加えて4本のノズルが付属する形になります。
新たに追加されたエクステンドノズルはブライトノズルよりも高い音域をブーストし、空気感を加えた今っぽい音質を演出します。
第2世代ではエクステンドノズルがもともと挿入されています。
エクステンドノズルだけで購入可能?
本体に変更がない以上は、第1世代からの乗り換えはコスパ的に微妙。
第1世代のユーザーはエクステンドノズルのみ購入したいところです。が、いまのところエクステンドノズルのみの販売はありません。
とはいえ、他のノズルは付属品として購入可能なので、いずれは販売される可能性は十分にあります。今は待つしかなさそうです。
メタルノズルとノズルインサート
金属のノズルをメタルノズル(写真上)。
そのメタルノズルに挿入するプラスチック製のものをインサートノズル(写真下)と言います。
このページではインサートノズルを単に「ノズル」とだけ表記します。
SE846 ノズルは3種類あり、色によって音がかなり変わる
青のバランスノズルはフラットで全ジャンル対応
補正はかかりません。はじめから色々変えるのではなく、まずはこのノズルで様々な音楽を聴いてみてSE846の特徴をつかむのがいいと思います。
白のブライトノズルは元気で明るくポップスによく合う
その名の通り明るめの音質傾向になる白ノズル。
スペック上は1kHz-8kHzにかけて+2.5dB の補正と記載。おそらく4kHzあたりを中心としてカーブのトップが+2.5dBになるということでしょう。
実際にバンドもの(フリートウッド・マック)を聴いてバランスノズルと比べてみると、
- ベース、キックが一歩下がる
- スネアドラムのスナッピー、ハイハットのアタック音が前に出る
- ヴォーカルが半歩前に出る
- ヴォーカルのサ行がややキツくなる
- ギターが元気になる
といった感じです。ポップスは楽しく聴けると思います。
黒のウォームノズルはヒップホップなどビートミュージックにマッチ
その名の通り温かみのある音質傾向になる黒のノズル。
スペック上は1kHz-8kHzにかけて-2.5dB の補正と記載。おそらく4kHzあたりを中心としてカーブのトップが-2.5dBになるということでしょう。白のブライトノズルとは逆のカーブになります。
相対的に1kHz以下と8kHz以上が大きくなるので、大まか低音が前に出て、高音域が伸びる感じの音になります。同じくバンドものをバランスノズルと比べて聴いてみると、
- ヴォーカルが半歩ぐらい下がるが厚みが出る
- キック、ベースに厚みが出る
- ハイアハットやシンバルが目立つ
- リバーブの残響音がよく聞こえる
といった感じです。ヒップホップ、R&Bも聴いてみましたが良く合いますね。
ノズルなしでも使えるが…
ノズルなしでもはめることは可能ですので、メタルノズルのみという選択肢もあります。
音質傾向としては高音域の伸びが増して、シンバルやハイハットなど金属音の響きがかなりリアルに聞こえ、これはこれで面白いと思います。
ただ、ノズルには汚れの侵入を防ぐ効果もあるので、あまりお勧めはできません。
SE846のノズルはどれがおすすめ?
SE846のノズルはそれぞれに特徴があり、基本は自身の好みで変えるのがおすすめですが、およそ下記の音楽嗜好や個々の状況にあわせて選ぶといいでしょう。
バランスノズルがおすすめなのはこんな方
バランスノズルがオススメなのは下記のような方。
- SE846を初めて使う
- ケーブルなどを試聴する
- 音楽はバランスが命
- ジャンル問わず色々な音楽を聴く
- アーティストの制作意図の通り聴きたい
何よりもまずはバランスノズルがおすすめです。味付けのないSE846そのままの音を聴き込んでから、他ののノズルで変化を楽しむといいでしょう。
ケーブルやアンプ、DAPなどを選ぶときもノーマルにしておいたほうが変化がわかりやすいと思います。
ブライトノズルがおすすめなのはこんな方
ブライトノズルがおすすめなのは下記のような方。
- ノーマルケーブルを使っている
- SE535LTDのようなパンチのある音が好み
- ピアノやヴァイオリンはツヤのある音が好み
- ポップスをよく聴く
ブライトノズルはノーマルケーブルを使っている方におすすめです。ノーマルケーブルは低音が若干ブーミーですが、バランスを取る意味でもブライトノズルがおすすめです。全帯域にわたってバランスが良くなるわけではないですが、ベースが控えめになりヴォーカルがくっきり浮かび上がる感じで面白いと思います。音場の広いSE535LTDといった印象。
ウォームノズルがおすすめなのはこんな方
ウォームノズルがおすすめなのは下記のような方。
- 厚みのある低音が好み
- ベースが大好き
- ヒップホップやR&Bをよく聴く
ノーマルケーブルであればウォームノズルはおすすめできません。低音が出すぎてバランスが悪いです。
若干高音域寄りのケーブルなどと相性がいいかもしれません
se846 ノズル 交換方法
ノズル交換には付属の専用アッセンブリーツールを使います。
ノズルの交換手順は下記の通り。
- ケーブルから外す
- イヤーピースを外す
- 専用工具でねじ式のアダプターを左に回して外す
- ノズルを取り出す
- 交換するノズルを入れる
- 赤の印をあわせてイヤホンに戻す
- アダプターを戻す
- 工具を右回りに回して締める
それぞれ画像付きで解説します。
①ケーブルから本体を外す
本体を垂直に引っ張ってケーブルから外します。外さなくてもできますが外したほうが作業しやすいです。
②イヤーピースを外す
イヤーピースも外します。イヤーピースの芯に爪を引っ掛けると取りやすいです。
③専用工具でねじ式のアダプターを左に回して外す
メタルノズルはネジ式のアダプターで固定されています。専用工具で左に回して外します。
④ノズルを取り出す
ネジ式のアプターを外し、メタルノズルを引き抜きます。メタルノズルからノズルを取り出します。
⑤交換するノズルを入れる(すっぽり入るまで回す)
ノズルはすっぽりハマる位置があるので、回して探ります。ハマっていない状態で戻すとノズル破損の可能性があるので気をつけましょう。
⑥赤の印をあわせてイヤホンに戻す
メタルノズルと、イヤホン側に赤い印があります。お互いの赤い印をあわせてメタルノズルをはめます。
凹凸があり、うまくハマっていないと、ネジが浮いたりして故障の原因や音への影響もあるので気をつけましょう。
⑦アダプターを戻す
ねじ式アダプターをはめます。
⑧工具を右回りに回して締める
斜めにならないように気をつけて、右に回して締めます。強く締めすぎないように気をつけましょう。
ノズルを紛失、破損の場合は購入可能
ノズルは小さな部品で、無くしやすいです。もし無くしても購入が可能です。