初回分売り切れとなっていたFiiO BTR7をゲットしました。
今回は個別レビューをせずにいきなりiFi GO Bluと比較したいと思います。
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まずはBluetoothで音質を比較
イヤホンはSE846、音源はAmazon Music UnlimitedやApple Musicのハイレゾです。
ファーストインプレッションはFiiO BTR7が圧倒的だった
商品が届き、焦る気持ちを抑えながら開封。前作BTR5よりはふた周りくらい大きく感じるものの、持ち運ぶには十分な軽さ。いつものようにSE846を4.4mmジャックに繋いでBTR7を起動。
BTR7は近くにペアリングできる機器を探し行っている。スマホのBluetooth設定を開いてBTR7を選択。ペアリングが完了すると、鮮やかな発色のLDACという文字が浮かび上がった。
SE846を耳介にねじ込み最近よく聴いているPat Metheny Group「Forward March」(24bt/96kHz)を再生する。
ドーン!!
一発目のバスドラがなった瞬間、度肝を抜かれた。ポータブルのBluetoothデバイスでここまでとは。ふくよな低音、クリアに伸び伸びと響き渡る倍音、なめらかに減衰するリバーブ。素晴らしい。
iFi GO bluで受けたファーストインプレッションの衝撃を軽く超えてきました。
それから2時間くらいBTR7で音楽に浸っていました。
低音域をiFi GO bluと比較
ここからは松任谷由実の80年のアルバム「流線形80’」から「魔法のくすり」(24bit/ 96kHz)で比較していきます。楽器の数が多くすべて完璧な生演奏。ミキシングも完璧。もちろんヴォーカルも完璧。比較での音質変化がわかりやすいです。
GO blu、BTR7ともにLDACにて比較します。
iFi GO bluの、空気をぐっと押し出すような低音は、とても気持ちよく心躍らせます。一方BTR7の低音はもう少しタイトで、より輪郭のクッキリとした映像を想起し、正確さと精細さと力強さを感じさせます。
iFi GO bluとBTR7どちらも素晴らしい低音だけど質感は明確に異なります。
どちらが好きかと言われればBTR7。しばらく聴き込んで行くと印象は変わるかもしれませんが、BTR7の豊かな響きは魅力的。
高音域の表現力を比較
iFi GO bluの高音域はややフォーカスが甘いながらも、ハイハットやシンバルはノリよく楽しく聴かせてくれます。
BTR7の高音域はフォーカスがぴたりと合ったような明確さがあります。でありながらハイハットやシンバルはiFi GO bluよりも一歩遠くで鳴っている感じがするのは、BTR7の表現が正確だからこそ。一方でトランペットやサックスなんかはiFi GO bluよりも前に出て、つややかに鳴り響いていますね。BTR7は奥行きをうまく表現しますね。
高音域の鳴り方はiFi GO bluのほうが好みですね。シンバルやハイハットはノリを作るのに重要な要素なのでそこが楽しく聴けるの大きいです。といってもBTR7が悪いわけではないです。iFi GO bluが「楽しくノリよく聴く」ならBTR7は「鼓膜を研ぎ澄まして細部まで聴く」といった感じで素晴らしいです。
中音域を比較
ヴォーカルを比較します。
ヴォーカルはiFi GO bluはBTR7よりも半歩くらい奥から聞こえます。iFi GO bluは低音と高音がやや強いためかと思いますが、かと言ってヴォーカル曲が不得意というわけではなく、しっかりと芯のあるヴォーカル表現で愉しませてくれます。
BTR7のヴォーカルはiFi GO bluよりも前に出てきます。透明感があり、声を張ったときの伸びも気持ちよく聞けます。リバーブの陰影感もうまく表現できていて奥行きを感じる素晴らしい表現力です。
【結論】LDACの比較ではBTR7がとても良い
Bluetooth(LDAC)で比較した所感としてはiFi GO bluは全体的にフォーカスが甘いながらもそれを逆手に取って、音楽マニアを楽しませるために潔く味付けしたような爽快な鳴り方をします。
一方でBTR7はBluetoothであることをほとんど感じさせないほど良いです。有線、無線でブラインドテストしても、たぶん聴き分けられないレベル。高音域の繊細な描写、力強い低音〜中低音、芯のあるヴォーカル。加えて空間表現も上手い。BTR7はクセがなく多分誰が聞いても「高音質」と感じるでしょう。
結論、好みの問題もあるでしょうが、Bluetoothの比較においては、繊細さ、正確さと力強さを兼ね備えたBTR7を推します。多くの人が気に入るだろうと思います。
有線接続を比較
今度は有線接続で比較します。
Androidスマホ(P30pro)に繋いで比較です。
BTR7のケーブルは相変わらず低品質
BTR7付属のC to Cケーブルで繋ぎますがうまく認識せず…。
このケーブルは多分FiiO Q3とかに付属していたものおそらくと同じ。認識するときとしないときがあって結構イライラします。
今度はiFi Gryphonに付属のケーブルを使ったらあっさり認識。ケーブルにも良し悪しがあるんですね…。
ちなみにGO BluにはC to Cのケーブルは付属しません。
聴き比べ
iFi GO bluは有線接続で聴くと豹変します。Bluetoothで曖昧だったフォーカスは有線ではしっかりとピントを合わせます。Bluetoothでの楽しい味付けはそのままに一音一音の輪郭をクッキリと描き分離感もバッチリ。
一方でBTR7はもともとBluetoothでの品質が良いだけに驚くような変化はなく、ちょっと良くなったかな〜といった印象。
有線接続ではiFi GO bluが検討するもスペックに雲泥の差
iFi GO bluは無線と有線では圧倒的に有線が良く、iFi GO bluのBluetoothアダプタとしての品質が、BTR7と比べるとあまり良くないのだと思いました。
とはいえ、ハイレゾ、DSD再生のスペックはFiiO BTR7のほうが圧倒的に高いです。
- FiiO BTR7…PCM32bit/384kHz DSD256対応
- iFi GO blu…PCM24bit/96kHz DSD非対応
なので、有線接続でDSDや96KHzを超える音源を聴くならFiiO BTR7ということになります。
私がスマホでDSDを聴くときは、e-onkyoプレイヤーを使用していますが、FiiO BTR7でも問題なく再生できています。
出力端子を比較
出力端子はどちらも3.5㎜シングルエンド、4.4㎜バランス端子の2つです。
出力を比較
iFi GO bluの出力は、
- 3.5㎜シングルエンド…165mw@32Ω
- 4.4㎜バランス…245mw@32Ω
FiiO BTR7の出力は、
- 3.5㎜シングルエンド…160mw@32Ω
- 4.4㎜バランス…320mw@32Ω
となっています。
実際使ってみた感じでは、どちらもパワフルな鳴り方で、大抵のイヤホンで十分な音量を得られると思います。
付属品を比較
ケースを比較
iFi GO bluはケースが付属せず、ポーチのみ。ケースは別売りで、iFiからクリップのついたもの、MITERから紐通しのついたものが販売されています。どちらも4〜5千円するので、簡易的なものでもケースはつけてほしかったと思います。
一方でBTR7のケースはBTR5がプラスチッククリップでしたが、ヌバックのような合皮ケースになりました。レザーではないですが質感はいい感じです。使っていくうちに手垢が目だってきそうですが、キズ防止にはいいですし、なんと言っても買い足す必要がないのは嬉しいところですね。
とはいえ表示部が大きく露出面積が広いので、フィルムは別途購入してつけたほうが安心かと思います。
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付属ケーブルを比較
iFi GO bluはUSB A to Cのみ。
FiiO BTR7はUSB-A to C、USB-C to Cの2本が付属します。
前述の通りFiiO BTR7に付属のC to Cはあまりよくないので、スマホと有線接続する頻度が高いのであれば結局買う羽目になると思います。
充電方法を比較
端子はどちらもUSB-C。
iFi GO bluはUSB給電のみですが、BTR7はこのタイプのアンプでは珍しくワイヤレス充電に対応しています。
私は玄関にワイヤレス充電器を設置していて、帰ったらポンと置いて充電しています。
非常に嬉しい機能です。
また、BTR7はサイドにあるスイッチで充電する、しないを切替可能。
ボリューム調整を比較
FiiO BTR7はボタンでの調整なので、狙ったボリュームに調整するのにやや時間がかかりプチストレス。
GO Bluはノブでの調整なのでスピーディな調整が可能。ただ、有線接続したときはうまく調整できないこともありました。
マルチポイント接続はできる?
FiiO BTR7は2台の同時接続が可能です。複数端末を同時に使いたい人には便利な機能です。私の場合は、音楽用と動画用でスマホ複数持ちなので非常に助かる機能です。
iFi GO bluはマルチポイント接続はできません。
音声案内や効果音
iFi GO bluはコーデックの案内や電源OFF時に音声案内があります。
一方でBTR7はそういった音声案内や効果音がないので、電源が切れたのかどうか、繋がったのかどうかなどがちょっと分かりづらいです。完全ワイヤレスだとこういった案内はほとんどあるので、完全ワイヤレスになれてると違和感あるかもしれません。
【結論】完成度の高いFiiO BTR7、コンパクトで楽しいiFi GO blu
このタイプのアンプを1台だけ持つならFiiO BTR7をおススメします。非常に完成度が高く、Bluetooth接続の音質もずば抜けて高品質。癖がなく万人におススメできるモデルです。
一方でiFi GO bluはアンプを複数台持って、音質変化を楽しみたいマニア向けです。そして、このサイズ感、デザインも非常に魅力的。ケーブル巻きつけて気軽に持ち運べるので、TWS並みの手軽さがあります。