- 音質のスペックとかよくわからない…。
- 音楽のサブスクも色々あるけど、音質って実際どうなの?
- 音質の良し悪しがわかるようになりたい。
上記のような方におすすめの記事です。
この記事で音質を意識してサブスク配信を楽しめるようになります。
音楽マニアで現役の音声マンが、代表的な3つのサブスクを実際に聴き比べてレポートします!
まずは、ちょっと面倒な用語をわかりやすく解説します。
サブスクの音質を左右する2つの要素
サブスクで音質を大きく左右するのが次の2つです。
コーデック【圧縮形式】
コーデックとは楽曲データの圧縮形式。iPodが流行した時期はMP3がよく使われていましたが、あまり音質が良くないため、ストリーミングサービスではAAC(Advanced Audio Codec)が主流です。
サツマイモでいうと金時とか紅東とか品種のことです(?)
ビットレート【音の情報量】
ビットレートとは1秒あたりのデータ量。単位はbps(bit per second)で表します。kはキロで1000倍を意味します。bitは1個のデジタルデータで0か1のどちらかを表します。つまり、320kbpsは1秒に320000コの0または1のデータがあるということ。
単純に、この数値が高い=解像度が高く音質がいい、と考えてOK。
カメラで言う「何万画素」みたいなもんです。(大雑把)
圧縮には2つある
圧縮には可逆圧縮と非可逆圧縮の2つがあります。
可逆圧縮
ロスレス音源と言われるものはこの可逆圧縮です。
可逆圧縮とは逆が可能な圧縮、つまり圧縮前のデータに戻せる圧縮形式。具体的には、頻出するデータに少ないビット数に置き換えることでデータ量を圧縮しています。
特徴としては、データ量はあまり軽くなりませんが、音質の劣化がほとんどありません。
例としてApple Lossless、FLAC、MQAなど。
非可逆圧縮
こちらは逆が可能でない圧縮、つまり圧縮前のデータに戻せない圧縮形式。具体的には、人間の耳では認識できない音を間引いて圧縮しています。
特徴として、データ量を大きく抑えることができる反面、音質の劣化を招いてしまいます。また、圧縮後は元のデータに戻せません。
とはいえ、最近ではCDとほとんど変わらないくらいのクオリティーを実現しています。
例としてMP3、AAC、opusなど。
各サブスクのスペック
では各サブスクのスペックを見てみましょう。
Spotify
SpotifyはコーデックがAACでビットレートは最大320kbps。
320kbpsは十分な音質で、CDと聴き比べても遜色ないといわれています。
僕はスマホのノーマルイヤホンでは聴き分けはできません。
Apple Music
Apple MusicはAACの256kbps。
数字だけ見るとApple Musicの方が音質が悪いと思ってしまいますよね。
しかしApple Musicでは、APPLE DIGITAL MASTERという技術を採用しており高音質が望めます。すべての楽曲ではないですが、オリジナルのハイレゾ音源を独自開発のエンコーダーを使って圧縮しているとのこと。
※参考:Apple公式サイトより
APPLE DIGITAL MASTERの楽曲かどうかを確認するには楽曲を右クリックして「iTunes Storeで表示」をクリック。
画像のようなマークがあればAPPLE DIGITAL MASTERです。
※画面はMAC。iPhoneやスマホでは確認できないようです。
▶【256kbpsでも音が良い理由とは】AppleMusicをレビュー!
Amazon Music Unlimited
Amazon Music Unlimitedはちょっと見慣れないopusというコーデック。ビットレートは公式に記載がないので不明。256kbpsとも320kbpsともいわれています。
opusというコーデックは低ビットレートでも音質を担保できるもの。
つまりWi-Fiが使えない環境で有利だということですね。
▶AmazonMusicUnlimited徹底解説【コスパとアップグレードが強み!】
実際に聴き比べてみた
スペックはあくまでスペック。実際に聴かないとわかりません。
なので、Spotify、Apple Music、Amazon Music Unlimitedの3つの代表的なサブスクを条件を揃えて聴き比べます。
再生環境は、MACにポータブルアンプFiiO Q1 Mark Ⅱ(MK2)をつないでSHURE SE846で聴きます。
Spotifyはデフォルトだとノーマライズが入っているので外しておきます。
Apple Musicは若干音量が大きかったのでなるべく揃えたうえで比較しました。
私はAmazon Music HDを使っているため、設定で「標準音質」にしています。
ビリー・アイリッシュ「bad guy」を聴き比べ
ビリー・アイリッシュ「bad guy」で聴き比べてみます。画像のようにプレイヤーを3つ並べて何度も聴き比べました。この曲を選んだ理由は一音一音が聞き取りやすく、ヴォーカルが繊細なため、各サブスクの表現力を確認しやすいからです。
SpotifyとApple Musicは微差
でSpotifyとApple Musicですが、違いは感じるものの、どっちがいいとは断言しづらいですね。
Spotifyは若干ですが細部の表現が豊かに感じます。囁くようなヴォーカルの繊細さと録音の時のノイズが、若干ですがクリアに聞こえます。
一方Apple Music(APPLE DIGITAL MASTER)は細部の表現は劣るものの(本当に微かに)、元気な印象で聴いていて楽しいですね。キックのアタックがよく聴こえます。
Amazon Music Unlimitedは圧縮感アリ
まずAmazon Music Unlimitedは圧縮感があってほかの二者よりも劣っている印象です。特に高域で圧縮音源に特有の情報の欠落を感じますね。
とはいえ、「ながら」でカジュアルに聴く分には全く問題ないレベルです。
米津玄師「感電」も聴いてみる
サブスクで解禁されたばかりの米津玄師を聴いてみます。アップビートでファンキーなナンバーですね。
この曲に関しては、Apple Musicに軍配が上がります。やっぱり元気な音でテンションを上げてくれますね。
Spotifyは若干おとなしめな印象ですが悪くないですね。
Amazon Music Unlimitedはやっぱり圧縮音源といった感じがします。
【結論】3つのサブスクに大きな差はないが…
この3つのサブスクで比べると、SpotifyとApple Musicは抜きん出ていますね。Amazon Music UnlimitedはBGMとしては充分な音質ですが、比べるとちょっと見劣りしますね。
微差、というか好みでSpotify
で、SpotifyとApple Musicではどうか?好みの問題かと思いますが、私はSpotifyを選びます。落ち着いた印象で細部まで表現できているので聴き飽きないところがいいです。
聴いていて楽しいのはApple Music
Apple Musicは元気な音がする印象で楽しいですね。ヴォーカルは一歩前に出る感じです。ロックやポップスをBluetoothスピーカーとかでカジュアルに聴くのに非常に適していると思います。
音質に拘らず安く使いたいAmazon
Amazon Music Unlimitedは細部まで聴きたい方にはあまりおすすめできません。ただプライム会員は料金が月780円(他は980円)と安いので、例えば家事をしながらBGMとして流すくらいであればベストな選択です。
Amazon Musicにはロスレス配信のHDもあるので、もっと音質にこだわりたい方にはこちらがオススメ。ビットレートがSpotifyの2倍〜10倍になります。
▶【徹底比較】SpotifyとAmazon Music HD何が違う?