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【音場広めの密閉型平面駆動】HIFIMAN SUNDARA Closed-Backレビュー

SUNDARAの密閉型、SUNDARA Closed Backをしばらく使いましたのでレビューします。

開放型のSUNDARAは【圧倒的な周波数レンジ!】HIFIMAN SUNDARAレビューでれびゅーしていますのでご参考まで。

また、5万円前後(10万円以下)のヘッドホンは【音質比較】5万前後のおすすめ名機ヘッドホンで比較レビューしていますのでご参考まで。

SUNDARA Closed-Backの商品リンク

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HIFIMAN SUNDARA Closed-Back珍しい平面駆動の密閉型

HIFIMANは2007年にドクター・ファン氏によって設立された中国のオーディオメーカー。プロ用の音響機器は作っておらず、家庭向けのリスニング用のモデルを開発販売しています。平面駆動ヘッドホンといえば「HIFIMAN」といってもいいほど、平面駆動ヘッドホンを安価に世に送り出し、広く認知度を高めた存在の一つといっていいでしょう。

HIFIMAN SUNDARA Closed-Backはエントリーモデルで開放型のSUNDARAをその名の通り密閉型にしたモデルとなります。

また、HIFIMANで平面駆動の密閉型はこのモデルのみ。

SUNDARA Closed-Backと開放型SUNDARAの違い

開放型SUNDARAとの違い簡単に解説します。

基本的にはハウジングのカップ以外は同じパーツを使用。

SUNDARAとSUNDARA Closed-Back

スペックの違いは比較表のとおり。

SUNDARA open SUNDARA Closed-Back
再生周波数 6Hz-75kHz 6Hz-50kHz
インピーダンス 37Ω 20Ω
感度 94dB 98dB
重量 372g 432g
音質傾向 沈む重低音、やや鋭い超高音域、広い音場 厚みのある中低域、ややドライな高音域、やや狭い音場

インピーダンスと感度はあまり変わらないように見えますが、実際鳴らしてみるとClosed-Backのほうが音量を取りやすかったです。iFi xDSD Gryphonで鳴らしたところ、Closed-Backのほうがボリュームを10くらい絞っても十分に鳴らせました。

ハウジング以外は同じなので音色は似ていますが、周波数バランスは大きく異なります。

Closed-Backは厚みを感じさせるある音で、高音域はマイルドになり、音場は狭くなります。

結論、開放型と密閉型の一般的な違いがそのまま当てはまると考えてOKです。

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HFIMAN ANANDAの外観チェック

SUNDARA Closed-Backはハウジング以外はSUNDARAと同様のパーツを使用しています。

本体のクオリティはGOODですが、付属品などは安っぽい印象です。

写真とともにチェックしていきましょう。

簡素な箱

最近のHIFIMANは化粧箱ではなく段ボール素材の箱です

箱は段ボール素材にラベルが貼られた簡素なもの。

ラベルにはClosed-Back、Stealth Magnet、Neo Supernano Diaphramのロゴ
箱を開けたところ。小さい箱にケーブルと保証書が入っています。乾燥剤も入っていますね。
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レザーのヘッドバンドは固さを感じず着け心地良好

2重構造のヘッドバンド

ヘッドバンドは上部がマットな金属で、頭部にあたる部分はレザーのバンド。フィット感はソフトで良好。

スライダーは固めで安定感あり

スライダー

スライダーは若干固めで頭に装着した状態だと若干調整しづらいですね。

そのぶん安定感あはあります。

イヤーパッドは程よい柔らかさ

イヤーパッド

側面は合皮で耳に当たる部分はベロア。中済はややソフトなスポンジです。

形状は、円形で傾斜がつけられていてフィット感を高めています。

直径は10cmほど

 

内側は6㎝ほど

実際つけてみるとすっぽり覆うほどではなく、若干耳がイヤーパッドに触れる感じがしてやや窮屈感はあります。

滑らかな曲線のビーチウッドのハウジングカップ

美しい曲線と滑らかな手触りのハウジング

イヤーカップはコーティングの施されたビーチウッド。非常に滑らかな触り心地で、見た目もスタイリッシュでいい感じですね。

見た目重そうですが、実際つけてみるとそれほど重さは感じませんでした。

開放型のSUNDARAよりも70g重くなっていますが、許容範囲です。

平面駆動ドライバー

イヤーパッドを外したところ

超薄型のナノダイアフラムに棒状のステルスマグネットが据えられた平面駆動式ドライバーです。

3.5㎜両出しコネクタージャック

コネクタージャックは3.5㎜両出し

コネクタージャックは両出しの3.5㎜。他のHIFIMANのケーブルと共通ですね。

バランス化はケーブルを購入するだけでOKです。安価で良質なものも多く出ているので気軽にバランス接続を楽しめますね。

付属のケーブルは3.5㎜シングルエンド。6.35㎜の変換も付属しています。おまけ感がすごいケーブルです。

別途購入をお勧めします。

付属品

付属品はシングルエンドのケーブル。

スタンド。

ここら辺は他のHIFIMAN製品と共通です。

SUNDARA Closed-Backのスペック

  • 再生周波数…6Hz‐50kHz
  • インピーダンス…20Ω
  • 感度…98dB
  • 重量…432g

SUNDARA Closed-Backのスペックを改めてみてみましょう。

ポータブル機のiFi xDSD Gryphonでもボリューム86(MAX値は106)くらいでちょうどいい感じです。

重さは前述の通り開放型よりも重くなっていますが実際つけてみるとそれほど重さは感じません。

【音質】うまく抑えられた高音域、ぶ厚い中低域、密閉型とは思えない音場の広さ

SUNDARA Closed-Backは高音域と、中低域に特徴があり、密閉型とは思えない音場の広さが魅力です。

うまく抑えられた高音域

まず感じたのは、開放型のSUNDARAに特徴的だった、中高音~高音域のある一定の帯域のひりつく感じが巧く抑えられている点です。とはいえマイルドになりすぎず、長時間聴いても疲れない程度に煌びやかに表現されています。

分厚い中低域

SUNDARA Closed-Backは、密閉型らしい厚みを感じる中低域がよく出ています。ベースは重低音を深く響かせるよりもメロディラインを描くタイプです。もう少しタイトさが欲しい所ではありますが、気持ちよく聴ける部類です。

密閉型とは思えない音場の広さ

密閉型は一般的に音が詰まったような感覚があり、音場が狭く感じてしまいます。ところがこのSUNDARA Closed-Backはオーケストラなどを聴いても、「会場で聴いているような感覚」、とまではいかないにしても十分に楽しむことができます。

音源、アンプやリケーブルは何がいいか

では、いろいろ音楽を聴きながら、SUNDARA Closed-Backの音質レビューしていきます。

音源はできるだけいいものを

当然と言えば当然ですが、音源はいいほどいいです。開放型のSUNDARA同様に高音域の繊細な表現も得意なので、ハイレゾ音源もいいです。サブスクのAmazon Music UnlimitedやApple Music、手持ちの音源再生にはAUDIRVANAを使いました。ハイレゾのサブスクに関しては【徹底比較】ロスレス、ハイレゾ音楽ストリーミングを比較で紹介していますのでご参考まで。

SUNDARA Closed-Backにはどんなアンプがいいか

試聴のアンプはiFi xDSD Gryphon、RNHP、TOPPING A90 Discrete、DACはTOPPING D90SEを使いました。iFi xDSD Gryphonについては【ポタアン最終形態】iFi xDSD Gryphonレビューでレビューしていますのでご参考まで。

ポータブルアンプのiFi xDSD Gryphonでも十分に鳴らすことができました。相性で言うとA90 Discreteのような解像感のあるアンプがおすすめです。理由はやはり密閉型問いことでややこもりがちになってしまいますので、高音域の繊細な表現が得意なアンプにするとモヤが晴れたような音にしてくれます。

おすすめのリケーブル

SUNDARA Closed-Backは他のHIFIMANヘッドホンと同様リケーブルが簡単にできます。

おすすめとしては空間表現の得意なNOBUNAGA Labs霧降です。

NOBUNAGA Labs霧降

SUNDARA Closed-Backは密閉型としては音場が広いですが、開放型を使っている方には物足りなく感じるかもしれません。NOBUNAGA Labs霧降はそんな不満を解消してくれる音場表現をもっています。実際に使い比べて相性は抜群だと感じました。NOBUNAGA Labs霧降や蓼科についてはでレビューしていますのでご参考まで。

NOBUNAGA LAbs霧降(きりふり)の商品ページ

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下記の記事で3本のバランスケーブルをレビューしていますのでご参考まで。

HIFIMAN ANANDAのバランスリケーブル比較レビュー

音質レビュー

音源はAmazon Music UnlimitedやApple Musicで聴いていきます。

【徹底比較】ロスレス、ハイレゾ音楽ストリーミングを比較

大比良瑞希feat.七尾旅人

低音域の存在感が素晴らしいですね。重低音は開放型よりは出ていませんが、もう少し上の帯域が力強く鳴っています。ベースはメロディやリズム感がしっかりと表現できています。

ヴォーカルは女性も男性もやや線が太く感じます。もう少し繊細な表現力が欲しい所ですが、この価格帯では十分に高精細な表現力です。

SUNDARAClosed-Backとの相性…★★★★

スピッツ「ルナルナ」

全体的に音圧高めで、高音域の出過ぎるヘッドホンだとやや聞きづらい楽曲。が、SUNDARA Closed-Backで聴くと、爽快感は保ったまま耳につく部分をうまくマイルドにまとめてくれます。中低域にある音でグルーヴ感満載、爽快なロックポップを楽しめます。

シンバルやハイハットなど高音域の質感はやや乾いた印象なのは開放型と変わらないです。が、SUNDARA Closed-Backは丁寧に面取りされたような角の取れた高音です。明瞭さがないわけではありません。

SUNDARA Closed-Backとの相性…★★★★★

米津玄師「Kick Back」


音数が非常に多く複雑なアレンジメント、エフェクトか発声方法かわからないしゃがれたヴォーカル。何かと仕掛けの多いこの曲。SUNDARA Closed-Backがどう料理するか楽しみです。

イントロのベースがブリブリ厚みがあって気持ちいですね。この曲は音がごちゃごちゃしがちですが、楽曲全体を一つのうねりとしてドライブ感たっぷりに表現。楽しく聴けます。そして、ヴォーカルはしっかりとセンターに定位し浮かび上がるよう。

SUNDARA Closed-Backとの相性…★★★★★

The Dave Brubeck Quartet「Blue Rondao a la Turk」

金物の鳴り方がややソフトです。ピアノの艶感ももう少し欲しいかなといった感じです。ベースはうまく鳴ります。

密閉型としては広めな音場が感じられて、ライブ感を味わうことができました。

SUNDARAClosed-Backとの相性…★★★

タルカス

エマーソン・レイク&パーマーの名盤をオーケストラ演奏した楽曲。

これはあまり期待していなかったんですが、思ったよりも音場が広く感じられてよかったです。

SUNDARAClosed-Backとの相性…★★★

The Roots「The Next Movement」

生音らしい響きはもうすこし欲しい所ですが、キックとベースが気持ちよくノレるのでアリです。

SUNDARAClosed-Backとの相性…★★★★

【結論】密閉型としては広めの音場、平面駆動らしさを抑えた音色

SUNDARAClosed-Backは密閉型としては広めの音場感が非常に魅力。また平面駆動らしいの高音の煌びやかさは適度にマイルドで非常に聴きやすい音となっています。

色々と楽曲を聴いてみましたが、生音よりはサンプル音源やシンセなどを活用したDTM主体の楽曲や、ギターポップが気持ちよく聴けました。

平面駆動の音には興味あるけど、音漏れなどの理由で開放型は使いづらい、といった方や、平面駆動の音はども苦手という方にもお勧めできます。

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